昔、ゲイでもノンケでも入店できるミックスバーで飲んだことがある。
そこのママは40前後で10歳は年下の彼氏と店を切り盛りしていた。
たわいない話をしていると、1人の女がまだ小さな子供を連れて入店した。
ミックスバーとはいえ、母子連れは目を引く。
女はカシスオレンジを、女の子はオレンジジュースをそれぞれ頼んだ。
そして、女はカラオケで島谷ひとみの「YUME日和」を歌うと、静かに席を立ち、会計を済ませると消えるように帰って行った。
僕は思わずママに「なんなんですか!今の親子?」と聞いた。
すると、代わりにママの彼氏が「さっきの親子はね、この人の別れた妻と子なのよ。ああやって毎日来て、あたしを睨むの。いつか刺されちゃうかもだわね」と言ってケタケタ笑った。
その女は一言も発さない代わりに歌を歌う。

明日も会えるよ夢日和
その笑顔忘れずにいるのなら

ノンケを好きになったゲイは思い悩むけど、ゲイやバイを好きになってしまった女は女で大変なんだなと、その日わかった。
好きになる相手のセクシャリティは選べない。

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