少し前、東京の友達が仕事で福岡に来ていた。来て早々に携帯をなくしてしまったーとなんとも浮かない顔。俺も指定された時刻にホテルのロビーでかろうじて待ち合わせした。「どうやらタクシーに忘れたみたいだ」「運転手のおじさんがiPhoneのロックを外せないから電話に出れないんじゃないか」いろいろ言ってたけど、彼が携帯をなくしたことは知ってるだけで数回ある。しかも、今年に入って財布もなくしたらしい。おまけにぎっくり腰になって、体調崩して…と今年はとことんついてないらしい。居酒屋では自分の近況やら、共通の友人の噂話やら、くだらない話。あらかぶの刺身を初めて食った。普段飲まない焼酎も意外とうまいやんか。その後、すっかり日が暮れて肌寒い中を話しながらブラブラと歩いた。なんとなく右に入る通りを覗くと電信柱のあたりに何かいる。街灯が1つもない暗闇の中に紛れているけれど、それは確かにいる。女だ。固まってる俺を見て友達は”ここは右に曲がるのか”と勘違いしてその通りに入っていってしまった。「そこ、誰かいるよ」と後ろから呼び止めると「え?…うわっ!うーわ!」と言いながら引き返してくる。「あれなんなの〜??」「風俗かなあ」なんて言いながら、帰りにもう一度通るとその通り自体がなくなっていた。さっきまで「いろんなものが1カ所に集まっていて福岡いいねえ」と話していた友達が「もう絶対福岡来ない!」と断言して帰っていった。ヒャヒャヒャヒャヒャ。もの凄い形相だったのだ。











