親父がスポーツバカな件

僕の親父はスポーツが好きだ。
基本的にすべてのスポーツが好きだけど、特に野球、テニス、ゴルフには異様な情熱を持っている。
会社の草野球ではピッチャーとして大はりきり。
どんなに忙しくても、日曜には欠かさずテニススクール。
足が難病で義足になっても、ゴルフは続けている。
そんなスポーツ大好き、スポーツ命の父のもとに生まれてきたのが、致命的な運動音痴の僕だ。
毎日のようにキャッチボールやバッティングをやらされ、さまざまなスポーツ施設に連れて行かれたけど、死ぬほど興味が湧かなかった。
テニスコートの砂で絵を描き出す息子を父はどんな気持ちで見ていたのだろう。
僕は父と出かけるのも、スポーツ中継を観るのも本当に嫌で嫌で仕方なかった。

大人になったある日、実家の屋根裏の掃除を手伝っていると埃かぶった油絵が出てきた。
何これ?誰が描いたの?
父の絵だった。
それは蘭の花を描いたものだった。
原爆ドームを描いたものもあった。
その筆のタッチや色の使い方は僕にそっくりだった。
やっぱりこの人の血が流れていたんだ!と初めて実感した。

そして、現在スポーツ観戦が好きになってしまった自分がいる。
運動はさすがにやらないが、野球やサッカーの中継を見てると心が落ち着くのだ。
好きなチームや選手がいて応援しているのではない。
単純に試合を見るのが好きなのだ。
自分には絶対できない動きをする特殊能力を持った人間たちを観る面白さに気づいてしまった。

僕は抗いようもなく、父に似ていく。
ふたつのこころが重なっていく。

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