蜘蛛の糸 / Spider’s Thread

ある日、人生に光が射したような気がした。
「君はすごいよ。君はすごい」
そんな風に言われたことがなくて、嬉しくて、そのまま勘違いして、生きてきてしまった。
人を褒めるって無責任なことなのかもしれない。
根拠のない自信は年を経るうちに小さくなっていく。
知りたくなかった現実を突きつけられて、みんな悟っていく。

それでも、嬉しかった。
「君はすごいよ。君はすごい」
「君はすごいよ。君はすごい」
「君はすごいよ。君はすごい」
真っ暗な暗闇で、掴むものはそれしかなくて、何度も強く握った希望の糸は、結局ぷっつりと切れてしまった。
それでも、目蓋の裏に焼きついた幻の光を、どうしても忘れることができない。

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