もう20年以上前のことでどうでもよくなっているからこそ、中学時代のイジメを考えたい。

僕は中学校に入ってすぐにいじめられたわけではない。
中1の頃は緊張で気分が悪くなっても、教師や友達が協力してくれたので、(水をくれたり、窓を開けたり、優しかった)楽しく学校生活を送ることができた。
しかし、中2になると、状況は変わった。
緊張で気分が悪くなると、教師やクラスメイトに「詐病だ」と言われるようになった。
「病名は?」
「通院しているけど、医者も病名がわからない感じなんです。」
こんな答えじゃ誰も納得してくれなかった。
社交不安障害という病気の認知度はあまりに低いため、医者でも診断できる人がいなかった。
しかし、「病名がない」なんて許されなかった。
具合が悪くなるとクラス中から「仮病」「仮病」とはやし立てられた。
僕が動悸がするので、心臓に手を当てていると、みんなが真似して心臓に手を当てた。
保健室に行こうとすると「サボるな」と言われ引き止められた。

やがて、「ぬらりくらりしてるから」という理由で“ぬらり”と呼ばれるようになった。
鞄には「ぬらり」、机には修正液で「仮病魔」と書かれ、文房具は次から次へと壊された。
僕がプロレス技をかけられていると、女は「ぬらりも大変ね〜」と笑った。

ただ、僕はイジメより先に解決したいことがあった。
僕は誰より知りたかった、自分の病名を。
自分が詐病じゃないということを。
医者も家族も教師も生徒も自分でさえも詐病を疑っていたのだ。
病名がわからない。病気かどうかもわからない。
これじゃ救いようがない。

僕は地元が嫌いだ。
中学校の前なんて車で通り過ぎるのも嫌だ。
でも、ぬらりはずいぶんと立派になった。
ぬらりくらりしながらも、まだ生きてる。

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