引っ越して、コンビニの場所しかわからなくて、スーパーを探して。
駅からの近道を知りたくて、スマホで俯瞰して。
風呂上がりに自動販売機を探して、街灯のない道路に後ずさりして。
ピザの宅配を頼んで、遅れて温かくなくて。
そうやって、どうやって、わかりはじめて、馴染み始めて。
朝焼けを見つめながら自転車漕いで、夕焼けに照らされながら汗拭って。
遠くでサイレンが聞こえて、犬が吠えて、ひどく上機嫌で鼻歌を歌って。
それでもいつか引っ越すのだろう。
そうやって生きてきた。

人は世界地図の中をピンを指しなおして歩いていく。
戻ろうとすれば戻れるのに、実家にすら帰りたくないのはなんでだろう。
そこに未来を感じないからなんて言いながら、場所も季節も移り変わっていく。

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