自分だけ変わりたいゲイ

学生時代、ピアスを開けることが大好きな友達がいた。
左耳、右耳、鼻、くちびる。
どんどん増えていくピアスの理由を尋ねると、彼は「自分が変わった気がするから」と笑った。
笑うと穴が大きくなる。
確かに変わったことは変わった…。
彼の大きなピアスホールから広がる闇は果たして塞がったのか、今も開いたままなのか。

僕はピアスこそ開けないけど、現状を打破する願望に始終悩まされている。
一方で、周囲の人間には変わらずにそのままでいてほしいと思うことが多い。
いつも同じ味を提供してくれる食堂のように、ホッとする存在でいてほしい。
自分だけ変わりたい、それはただのワガママで叶うはずもない。
久しぶりに話せば、お互い取り残されたように感じる瞬間は必ずある。

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