バッタ

両親が実家の庭でガーデニングを始めてから、ずいぶん経つ。
春夏秋冬、季節の変化に合わせて途切れることなく花が咲いている…らしい。
“らしい”というのは普段そんなに俺は庭を見る習慣がない。
それでも外壁をツタが覆い、大きな蜂に気をつけて門戸を開けることが多くなり、毎晩ガラスにヤモリが貼りついているのを見ると庭が変わってきたんだなと気づく。
今日、普通のバッタが足元を跳ねた。
覗き込みながらふと思う。
トノサマバッタっていたよな。
どこ行ったんだあれ。
今年の夏、近所の小学校の横を通りかかると校庭で園芸の時間だろう。
子供たちが鉢を持って並んでいた。
大きな声があがる。
「アリ!アリ!そこも!」と言いながら、鉢のないもう片方の手に持った殺虫剤のスプレーを必死に地面にまいていた。
なんだか少し悲しかった。

この記事も読まれています。