人はなんでもハイハイと受け入れられるものではない。
それでもどうにもならなくて、仕方なく−。
少しずつ、少しずつ、あきらめる。

後から思えば、それは成長だったと言えることもある。
一方でそこまであきらめるなら、もうやめてよかったんじゃないかな…って思うこともある。
あきらめて、あきらめて、あきらめることに慣れて、血が滲んでも、痛みに気づかない。

寒い日のこと、僕は待ち合わせをしていた。
時間が来ても来ない。
来ない。
来ない。
もうやめとけよ。
もうすがるなよ。
そう言って、無理やり肩を押して連れて帰るべきだった。
いつかの自分を救えるのは今の自分だけだ。

そうやって優しくなっていく。
丸くなって大きくなっていく。
ぬくもりに安堵しながら、背中に手をやるとまだ刺さっているナイフがある。
もう抜くことはあきらめた。

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