夢見し少年

僕が心療内科に通院するようになったのは12歳の頃。
街では松任谷由実の「真夏の夜の夢」やZARDの「揺れる想い」が流れていたその時代。
精神科や心療内科に対する偏見は今より大きかった。
そして、とにかく毎日、死にたくて死にたくて仕方がなかった。
発禁本「完全自殺マニュアル」を線を引きながら繰り返し読み、いろんな薬物の致死量を覚えた。
塩をどんぶり3杯食ったら、人は死ぬらしい。
部屋にこっそりと睡眠薬を溜め込むようになった。
当時は医師による睡眠薬の処方がテキトーだったせいか、いつのまにか100回くらい死ねそうな量に膨れ上がった。
でも、飲むことはただただ怖くて、結局捨ててしまった。

この死にたい願望にいつまで囚われるんだろう。
多分、解き放たれることはないだろうな。
そんな風に完全に諦めていたけど、希死念慮は知らぬ間に弱くなり、やがて消えていった。

それは生きがいのせいだろうか。
それは愛のせいだろうか。
それは年齢のせいだろうか。

それは許しかもしれない。
夢見し少年がやっと許してくれたんだろう。

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