気まずい。
会話がなくなったときの沈黙をおそれるような関係に彼となるなんて想像したこともなかった。
おととい木村カエラのライブがサンパレスであった。
オレと彼で1枚づつのチケット。待ち合わせもせず、バラバラに来て隣に座った。
今日のライブでオレたちのたてた予定は終わる。
1曲1曲、カエラは飛び跳ねて歌う。別れをカウントダウンしているような気分。
会場が盛り上がれば盛り上がるほどオレたちのあいだに流れる空気が際立つ。
帰りみち、彼は自転車をおしてオレは歩きながら10分くらい話しながら帰った。
なにを話したか、まったく覚えてない。
たいした話じゃない。もう蒸し返すこともない。
交差点で「オレはこっち」「じゃあ」。
たぶんお互い振り向かず帰ったとおもう。自転車の音が1回だけ聞こえた。
あいつはオレを恋愛対象に見れなくなっただけで、きらいになったわけじゃないらしい。
オレが落ち込んだメールすると、律儀に返信がくる。
そのメールがいつも一緒にいたからこそ書ける内容なのがくやしい。
最後にもらったみそ味のキャラメルを一つ口に放りこむ。
こんなに変な味のキャラメル買ってきやがって。
これ全部食い終わったら、ちょっとは吹っ切れてるかなあ。そうだといいなあ。