今年最後のツクツクボウシが鳴いていた。
仲間1人いない世界で、目的を失ったというのに、自分の生命をまっとうしている。

人類に滅ぼされたネアンデルタール人の話。
同族を失い、洞窟の闇の中に身を潜め、何を思ったのだろう。
最後の1人になることは、ただ寂しいものなのか。
虚しいことなのか。

君は「最後」が怖いと言う。
スーパーマーケットで流れる「蛍の光」や公園に響いた夕焼けのチャイムに不安を覚えたと言う。
どんなに賑やかな場所でも、いつかはみんなどこかに去っていく。

思いやれば思いやるほど、死別が悲しいものならば、
ただそこにいるだけで意味があるものならば、
僕は愛する人の後ろを歩こうと思う。

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