少女少女 / iyoupapa

真犯人を警察より先に見つけてしまう記者

清水潔という記者が年末に出版した本「殺人犯はそこにいる: 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件」が話題になっているので、読んでみました。
清水氏は過去にストーカー殺人事件の犯人を警察より先に特定して、通報したことがあるというとんでもない人です。
今回は連続少女誘拐殺人事件として有名な足利事件を追っているのですが、清水さんはすでに真犯人が見つけてしまっているのです。
それなら「めでたしめでたし」で事件が解決しそうなものですが、この事件は今のところ、そうなっていません。
警察が動かないのです。

警察が動かない理由

足利事件は北関東で少女が5人も誘拐されているという凶悪事件です。
しかし、デタラメの捜査とDNA鑑定をもとに菅谷さんを間違えて逮捕したためにいまだに解決していません。
当時のDNA鑑定が使えないものだったことを認めてしまうと、すでに死刑執行された事件(福岡・飯塚女児2人殺害事件)も冤罪の可能性が高くなるので、警察は迂闊に捜査を再開できないのです。
清水氏はもう真犯人の名前も住所も警察に教えているのですが、警察は動きません。
殺人犯がわかっているのに、警察の体面のために捕まえないとは信じられません。
ちなみに少女5人のうち、4人の事件は時効を迎えているので、罪に問えるのは残り1件だけなのです。

本末転倒な捜査方法

本を読んでて印象に残ったのは目撃証言というものの曖昧さです。
テレビドラマなどでも「あの日、青い車を見かけました」と犯罪の目撃者が出てきますが、よっぽど変わったことでもなければ外出先で見たことをそれから数週間も経って、思い出せないと思うのです。
中から人が転がり出てきたとかならわかるのですが、「車にラインが入っていなかった」なんて目撃証言は逆に当てになりません。
大事件であるほど、どうにか犯人を挙げようとするのは本来いいことなはずなのですが、捜査が空回りする原因になります。
犯人を先に決めて、目撃証言や証拠品を作っていく本末転倒な捜査になりやすいです。
遺族は無理矢理にでっち上げた犯人なんて望んでいません。

執念のジャーナリズムがカッコ良い。

新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、そして今回は本とメディアをフルに使って世論を動かそうと何年も活動している清水氏がカッコ良いです。
警察は非を認めて、捜査しないといかんでしょ。

殺人犯はそこにいる: 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件
清水 潔
新潮社
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