Angry Young ManAngry Young Man / Tobyotter

家族に必要な物が揃っていないと、その空いた部分を子供は無理矢理埋め合わせようとします。
僕の学生時代に特に親しかった友人は、なぜかほとんど機能不全家族のもとに育った人でした。
片親が失踪していたり、児童養護施設で育っていたり、両親が離婚して、母の連れ子になったけど、母が死んで、血縁のない父親と暮らしていたりしました。
僕が抱え込んでいるコンプレックスが、無意識に人をかき分けていったような人間図を描きました
自分には両親共にいるのですが、心はがらんどうでぽっかりと穴が開いていて、それを持て余していました。
傷の舐め合いと言われても、その時に必要な環境だったのだと思います。
みんなの間に1番溢れていた感情は「怒り」でした。
スタートラインを用意してもらえなかった、どうしようもない怒りがふつふつとたぎっていました。

豪雨なのに、上京する前にどうしても志賀島から海を見たいという友達を車に載せて連れて行くと「絶対、復讐してやる!」と彼は何度も言いました。
「絶対、電通に入ってやる!」
それが彼の復讐なんだなと思いながら、海に向かって立ちすくむ彼をワイパー越しに眺めていました。
寒いよー。やれやれ。なんてぼやきながら。

数年前に、Facebookでその彼から連絡がきました。
電通ではありませんでしたが、確かに一流のエリート会社で働いていました。
僕は「すごい。頑張ったね。」とメッセージを打ちかけて、指が固まりました。
「何やってたんだ…あれから今まで俺は…あいつは…」と頭を抱えて、声を絞って泣きました。

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