中学の時に腹を殴ってくる同級生がいた。
まあ、簡単に言えばいじめられてたわけだが、吐き気に悩まされる病気だったため腹を殴られると1番困る。
そこで、まな板ぐらいの大きさの木材をベルトの部分に挟んで登校していた。
体育館の裏で毎日行われる相撲。
口に入った砂利の粒。
そんな生活を送ったせいか、中学2年から3年にあがるときには精神的にかなり追い詰められていた。
人と目が合うのが気になって、クラスの誰と何度目が合ったか正の字をノートにつけていた。
母はそれを見て「この子やばい」と思ったらしい。
監視カメラが家の風呂場に仕掛けてある気がして、入浴のときにいろんな場所をチェックするようになっていた。
いま考えると、覚醒剤をやっているレベルの妄想である。
ただそんな症状も中学を卒業すると自然になくなっていった。

ある朝、僕は家を出て学校へ行く道と反対側に曲がってそのまま、家にも学校にも帰らなかった。
家も学校も自分がいるべき場所じゃなかった。
その日の気温や興奮はよく覚えている。
自販機で買ったジュースを飲みながら、木陰で風に当たって涼んだ。
積み上げてきた人生を放り投げている気がして、逆に清々しかった。
教師や親は探したらしい。
あれが正しかったといえる日がいつか来ればいいな。

この記事も読まれています。