少し前、東京の友達が仕事で福岡に来ていた。来て早々に携帯をなくしてしまったーとなんとも浮かない顔。俺も指定された時刻にホテルのロビーでかろうじて待ち合わせした。「どうやらタクシーに忘れたみたいだ」「運転手のおじさんがiPhoneのロックを外せないから電話に出れないんじゃないか」いろいろ言ってたけど、彼が携帯をなくしたことは知ってるだけで数回ある。しかも、今年に入って財布もなくしたらしい。おまけにぎっくり腰になって、体調崩して…と今年はとことんついてないらしい。居酒屋では自分の近況やら、共通の友人の噂話やら、くだらない話。あらかぶの刺身を初めて食った。普段飲まない焼酎も意外とうまいやんか。その後、すっかり日が暮れて肌寒い中を話しながらブラブラと歩いた。なんとなく右に入る通りを覗くと電信柱のあたりに何かいる。街灯が1つもない暗闇の中に紛れているけれど、それは確かにいる。女だ。固まってる俺を見て友達は”ここは右に曲がるのか”と勘違いしてその通りに入っていってしまった。「そこ、誰かいるよ」と後ろから呼び止めると「え?…うわっ!うーわ!」と言いながら引き返してくる。「あれなんなの〜??」「風俗かなあ」なんて言いながら、帰りにもう一度通るとその通り自体がなくなっていた。さっきまで「いろんなものが1カ所に集まっていて福岡いいねえ」と話していた友達が「もう絶対福岡来ない!」と断言して帰っていった。ヒャヒャヒャヒャヒャ。もの凄い形相だったのだ。
晩飯を食べていると母ちゃんが急に「あ、あたしこの映画観る!」とテレビを指差す。え?本気ですか。お母様。今からですか?「さまよえる刃」という映画。上映スケジュールを確認すると、近所の映画館では上映されていない。他の映画館を調べると一度も行ったことがない少し離れた郊外のモールで今から30分後にあるらしい。もともと方向音痴なオレ。案の定、道に迷ってしまった。刻々と時間が刻まれていく。映画開始まであと5分。なのに自分の居場所すら掴めていない。焦ってUターンをしようとしたら、ドゴンッと音を立てて車が道路脇の段差に落ちてしまった。痛てぇ。落ちた衝撃で車の天井で頭を打って目の前で花火が散った。「なにやってんだよ。あたいは映画観に行くんだよ!映画!映画!」母ちゃんご立腹。「ヘイヘイ、とりあえず車を持ち上げようよ」母ちゃんに運転を頼む。母ちゃんはエンジンをかけてギアをバックにいれる。そして、俺は車を抱えて持ち上げる。予想より車が重い。もう一度ウホ!ウホ!と力を入れると車は持ち上がった。ロードサービスを使わず無事に車道にカムバック。それからさらに数分かかってようやく映画館につくと上映開始時刻から26分遅刻していた。「今日は諦めたがいいかな」と映画を諦め、肩を落として帰宅。火事場の馬鹿力ってあるらしいけど、もっと凄いことをやるらしい。俺は熊と戦いたい。勝つよ。だって、ゴリラだもん。

今からは焼き芋の季節。食物繊維多めだからヘーこきまくりになるけど通じがよくなるし食べ過ぎなければ太らないだろ。スーパーで積まれているさつまいもをキッチンペーパーで包みたいところだったんだけど家になかったから、代わりにティッシュで包む。それを水で濡らしてぐちゅぐちゅにする。うー、見かけわりー。食べ物に見えない…。そして、アルミホイルでさらに包む。いつも魚を焼いているグリルで焼いたんだけど、芋が大きくてなかなか入らない。押し込むと今度は出てこなくなった。焦る。30分焼いて出来上がり。味はまあまあ。すでに出来上がった焼き芋には負ける。値段が違うからなあ。でも、俺はすごい満足。へーでるかな、へーでるかな。ワクワク、ワクワク。
ジムでいつもの時間のいつもの機械で走りながらテレビを観てると、大好きな”Tokyo No.1 Soulset”が”SPACE SHOWER TV”に出ていた。事前に番組からの質問への答えを司会者がパネルで紹介していて、「今ハマってるものはなんですか?」「SEX」、「(司会者に)習いたいことはありますか?」「SEX」、とほぼ「SEX」と答えて残りは「オナニー」と書いてあった。高校時代に「Jr.」という凄まじい名盤を聴いていただけに、この下品な答えに「オレもどこかのアンケートで答えるときはこう書こう!」と心に誓った。そんなつまんないことばかり考えているせいか、リバウンドした体重がなかなか戻らない。毎日500グラムずつ減ってるからたぶん1年以内に俺は消滅するだろうけど。燃えるお兄さん。