
先日、相方とエイズ検査に行った。
その日は小雨がぱらつく天気。
結果が出るまでの1時間をスタバでまったり過ごす。
「雨降りそうだね」なんて、口元にはやけに甘いコーヒー。
結果は陰性。それでも、こういうのって大事。そしてとてもステキなこと。
その数日後、スペースシャワーTVでジョージ・マイケル(ゲイのポップシンガー)の半生を特集した番組を見た。
彼のアルバムは「Older」だけ持っている。本当にいいアルバム。
ジョージ・マイケルも老けたなあとぼんやり眺めていると、ジョージ・マイケルの昔の恋人の顔がうつる。
エイズで亡くなったらしい。ぶっちゃけた番組だなあと感心していると、続けてママの顔、ママも亡くなったらしい。
そして、今の恋人が語りだす。さらにジョージのパパも出てくる。ジョージそっくり。
エルトン・ジョンやスティングなんて大御所もコメントしていたが、なにより俺はジョージのパパも堂々と出ているのにおどろいた。
アメリカが進んでいるのか、彼だけ進んでいるのか。
ジョージは公衆便所で警官に逮捕された過去を自分のキャリアにポジティブに組み込むことに成功してる。
彼がしたことは開き直ってトーク番組に出ただけなんだけれど、すごく勇気が必要だったと思う。
「今は音楽も人生も気楽で楽しい」そう言って笑うジョージ・マイケル。今年で44歳を迎えたようだ。
「恋」の仕方をいつの間にか自分なりに作っていた。
斜めからの視線で、見えもしない相手の裏側をうかがっていた。
気づけばいつも荷物をまとめていた。中くらいの紙袋1つ。
すぐ帰れるように。すぐサヨナラしてもいいように。ねえどこに帰るの?
どこかでそっと声がした。
付き合いはじめて4ヶ月経った。4ヶ月目でやっと気づいたことがたくさんあった。
本当にたくさん。今ごろ気づくなんて本当に俺はバカだと思う。
こんな俺だから5ヶ月経たないとわからないこともあると思う。
半年経ったら半年経たないと得られないことがまた1つ降ってくるかもしれない。
それは神様からのプレゼント。何よりのプレゼント。
“初めて”が多い4ヶ月だった。
“相方と初めて”ではなく、本当に“初めて”な毎日。
今までの闘病や仕事の日々では経験できなかったことばかりだった。
初めて行く場所や店、初めてやる遊び、そして初めて聞く話。
最初から最後まで戸惑った。具合が悪くなった。怒った。ケンカした。
それでも何ヶ月か経って、もう一度考えた。
「ん~お前の言う通りかもしれない」俺の中で何かが変わった。新しい風が吹いた。
出会ったときの相方の笑顔がやたらと眩しかった。
俺もいつかこんなふうに笑ってみたいな。
美容室に行くと俺の顔を見るなり美容師が
「3万落としちゃったんだよね~」と頭を掻く。
「財布ごと?」と俺が聞くと、彼は「俺、財布持たんもん」と答えた。
どうやら彼はカード類も一切持たないらしい。
「キャッシュカードも持たんの??」と聞くと「金は休日にまとめておろす」と即答。
なんかよくわからないが、「男らしい…」と感心してしまい、“俺も財布をやめよう!”と思い立つ。
帰り道、財布を開くと、タワレコのポイントカードが真っ先に目に入る。
「これはダメだ…。CD買ったのにポイントもらわないなんて」と5秒で断念。
カード1枚も持たず、裸でお金生活。俺には難しいなあ。