「そういうのに偏見ないよオレ」高3の夏、1時間近くかかって自分の体験を相談すると、予備校の友だちはそう言ってくれた。言ってくれたのにオレは。オレは「いや。ちがう。オレはゲイじゃない」と言った。否定した。自分がゲイじゃなかったら、どこがどう変わってるんだろう。ファミレスの家族連れを見てもなにも感じなかったオレでも、結婚した兄貴が子どもを2人連れて帰省するとすこしは考える。オレたち同じ家に育ったんだよな?親にカミングアウトしてからは、加齢とともにホモフォビアの思考は減っている。自分がゲイであることに悩んでるひとを見かけたら、「自分を否定しないで」と言うけれど、オレ自身にも嫌悪のカケラは残ってる。そして、そんな自分がいやになる。いろんな場所にいろんなひとがいていろんなことをしてる。認めてあげるなら、まず最初に自分を認めてあげたい。