この世でいちばん移り変わるものはひとのココロだよと大好きだった先生に言われたことがある。
もう何年まえなのかよく覚えてないけれど、駅の自販機でペットボトルの水を買ってるとぽろぽろと涙がこぼれおちた。
あの日、オレの世界から赤い色がグンと減った。
情熱。愛。ハート。興奮。感動。ぬくもり。
そして、よういちがそれを思い出させたくれた。
きのう、よういちを駅に送ったあと、部屋の座椅子にもたれて最近はまってるDE DE MOUSEのアルバムを聴きながら目を閉じた。
愛するひとが別れたいという。
おれはほんとうによういちがすきだ。
だから、恥ずかしいくらいに引き止めたりもした。でも、自分のやってることはただのエゴだなと先月くらいから思いはじめた。
ほんとうに好きなら相手のしあわせをただ祈ろう。
オレがつかんでいた手の力をゆるめたら、あっけないさようならがやってきた。
ただひとつ、あの頃とちがうのはすがすがしい気分だということ。
一生懸命走ってコロんで笑って飯を食って走り抜けた季節が4つ。
よういちの顔を描いたスケッチは色づけされないまま。その色はまだオレの頭のなかにある。
翌朝「晩飯食べて帰ればよかったのにねえ」とつぶやく母ちゃんの背中にかける言葉をうしなったオレはなんでか居間の窓を開けた。
吹きこむかぜをおおきく吸いこむ。いま何時だっけ。