統合失調症―患者・家族を支えた実例集

朝っぱらに親父からメールがきた。
「今日は母ちゃん誕生日だぞ」

数日前、ひさしぶりに母と外出したときのこと。
車に2人で乗り込んで実家の車庫を出ていると母が「なんか懐かしい感じだわあ」とため息をついた。
俺もなんとなく意味がわかった。
小さい頃から病気を患ってた俺を助手席に乗せて母は何度もこの車庫から病院へ向かった。
ぐったりした俺に「早く着くからね」 声をかけながら。
今は助手席に母が乗っている。
「なんだかあの頃と違って今はずいぶん気持ちが楽になったよ」と窓からの日差しに目を細めている。
俺は最初申し訳ないような気持ちになって運転していたけれど、ふと“自分はどうだろう”と考えてみた。
状況はちっともよくないんだけれど、やっぱり俺もずいぶん気が楽になった。
これが今の生活の感想。
15で知って20になって受け入れたこと。
27になるこの歳までわからなかったこと、出来なかったこと。
そして、そんな俺のセクシャリティから病気まで理解してくれて、ずっと横で見ていてくれた母。

駅からの帰り道、小さいショートケーキを2つ買って実家に帰った。

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