イン・ザ・プール (文春文庫)

3歳のときに中耳炎の手術をした俺は小5になるまでは耳に水が入らないような生活を強いられた。
小学校の夏のプールのはじに日陰を探していつもボーッと見学していた。
足元ににじり寄ってくるお湯のように熱い水がなんとも不快で印象的だった。
毎年、夏のプールサイドで一人ぽつんと暇をしていたんだけど、小4のときは違った。
夏に男の子が転校してきた。名前はまったく記憶にない。
その子もプールを毎回見学するようになった。
だからといって、お互い無口で仲良くなるどころか話すこともなかった。
そんなある日、彼がプールの外からネット越しに俺を呼んだ。
なんだろうと思ってプールを抜けると校庭の隅の足洗い場に彼がいた。
よく見るとデカイ食用ガエルが蛇口の下で水浴びをしてた。
俺は生き物なら何でも好きなのでカエルに大層喜んで授業中まったくプールに帰らずカエルと遊んだ。
授業の終わりとともにたくさんの同級生が足洗い場にきてすぐにカエルは先生に捕獲されてしまった。
それから夏のプールの時間は2人で校庭を散策して遊ぶようになった。
当時から「なんでこいつはプール入れないんだろう」と思っていたけど聞けなかった。
手首に妙な傷があって包帯をしていたけど意味がわからなかった。
夏が終わると彼はすぐに転校した。
カエルかわいかったな〜

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