先日、昭和37年の映画「切腹」を観ました。
あらすじは貧困に窮した侍が切腹したいと嘘をついたものの、本当に切腹させられるという内容です。
一昨年に同作品を三池崇史監督がリメイクした「一命」を観たのですが、それはそれは期待外れの内容でした。
「10分間に渡る切腹シーンが見どころです!」なんて宣伝文句だったのですが、本当にその通り。
あまりにグロテスクなので、映画館で気分が悪くなりました。
このホラー映画中毒の感覚麻痺な俺が気持ち悪くなるくらいにひどかったのです。
しかし、その映画には基になる映画があって、しかもそちらはものすごく面白いというではありませんか。
というわけで、早速「切腹」を観てみたわけです。

リメイク映画なのに、なんでこんなに違うんだ?というほど「切腹」の観客を引っ張り込む力は尋常ではありませんでした。
日頃はモノクロ映画なんて観ないのですが、冒頭の鬼気迫る三味線の合奏から終始ガッツリ画面に見入ってしまいました。
怖いんです。
グロいんじゃないんです。
「一命」の主演俳優は海老蔵、「切腹」は若かりし頃の仲代達矢です。
この人が仲代達矢なの?というほど、仲代達矢は男気に溢れ、凛々しいです。
現在の顔とつながらないのです。
しかし、この映画の出来の違いは俳優より監督に要因があるんだと思います。
そもそも時代劇の人情ドラマの見せどころが「10分間に渡る切腹シーン」なのがズレているんです。
僕は前から三池崇史監督の作品が苦手です。
「一命」以外にも「ゼブラーマン」「逆転裁判」「愛と誠」「悪の教典」「藁の楯」となんだかんだ観てきたのですが、とにかく内容がないんです。
残酷なシーンが売りの監督なので、外国人のウケはいいらしいのですが、僕には表面的な薄っぺらい映画だと感じさせる作品が多いです。
ジェットコースターのような映画と言いましょうか。

映画は全編「切腹」にまつわる話なのですが、観ていて「昔の侍は大変だったんだなあ。俺は農民でいいや」と短絡的に思いました。
「切腹」というこの異質な文化があったのは世界でも日本だけらしいのですが、この思考は現代の日本社会の片隅にも残っているのでしょうか?
死んで償うのか、生きて償うのか。
死に様、生き様、僕は格好悪くても無様でもいいです。
生きてるだけで丸儲けやで!!

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